散弾銃プレアデス
「そーだろ?」
話し方通りに荒っぽい見た目の男性は、安原にそう言って笑った。
金色の髪を逆立て、雰囲気はまるでそこらの“走り屋”と言ったかんじだ。
すばるや安原が身につけた水色を基調としたものと同デザインの軍装を身につけている。
しかしその色は若草色。すばる達とは違う所属───陸上隊である、と判断できる。
「伸吾っ、おまえ……」
安原が苦虫を潰したような顔で男性を見た。
特務隊の三柱のうちのひとつ、陸上機動隊。
白兵戦と銃火機の精鋭がそろう部隊。
「よぉ葵、まずは『ありがとう』を聞きたかったぜ」
原伸吾は、陸上隊の隊長。
安原に対する態度が許されるのは、互いに同期であることもその理由だった。
原はすばるに向き直り、手招きをする。
「嬢ちゃん、こっち来い」
「?」
ワケがわからずひょこひょこと着いていくすばる。
その後ろから、深い深いため息が落ちた。