散弾銃プレアデス
最後に敬礼をひとつ、原が俯いた。
「……はやく行け!」
菅谷の声にも俯いたまま、目を合わせない。ガチンと音を立てて内側から厚い鉄扉を開けた菅谷の姿をそっと瞳にうつした。
「ごめんな…菅兄……俺、」
「とっとと降りろ。俺ァ戻って指示を出さなきゃなんねえ」
「…菅兄!!」
「後で聞いてやる…戻ってきたら、だ!わかったか!」
こくん、と頷く顔がまるで出会ったあの頃のようで。
菅谷は身体中にぐっと力を込めた。
誰も居ない操縦桿にひたいを乗せる。機内が妙に広く感じられた。
「……っくそ…!!」
嗚咽混じりの声が鉄の甲板に反響して響く。