散弾銃プレアデス
「……魚雷なんてナンセンスだ、そんな真似しないよ」
微笑む紺野は性別を忘れるほどに美しく、優美で、残虐に見えた。
す、と上げた腕に海機隊員の視線が行く。
「……発射」
紺野の一振りに呼応し、“それ”がたまらずに飛び出す。鉄製の砲身は、球でも光線でもなくまるで槍のような形をしていた。
高く、高く。
空へ向かう、槍。
敵隊が仮設した簡易駐屯地へ向かって飛来するものの、無論届くわけがない。かといって、滑空する戦闘機に激突するまでも上昇しない。
「準備はいいかい?」
放物線を描く“槍”。
紺野は背後に待機する隊員たちに声をかけた。
「アレが海面に打据えられると同時に、ヘリを飛ばす。対空圏には絶対に入らないで……射程圏内に入れること」