散弾銃プレアデス
黒髪を逆立てたようなヘアスタイル。おそらく体格は年相応。
だが少年は、普段少女が見ているこの若草色を纏った大人達と比べると、あまりに若すぎた。それもまた興味をそそる。
凛と立つ目の前の少年に、泣いている、と。
そんな一言を叩きつけられて。
少女の口から飛び出す意地。
無意識に、けれど意識の海の底、確かに存在する何かが疼いた。
「泣いてないよ…泣いてなんか、ないもんっ…!!」
意地。
誇り。
強さ。
勇気。
自己防衛。
自己満足。
自己暗示。
「…知らねぇよ、そんなの」
「……え…」
「お前が泣いてても泣いてなくても良いけどよ。すっげーブサイクだぞ、今」