散弾銃プレアデス
朝日が、欠けていた。
「あれは……まさか、」
若輩の雛隊員なら、或いは判らなかったかもしれない。
既にいくつもの死線を越えてきた一人の海機隊員・山口は、大きな深呼吸を一つ、艦内の通信室へと駆けた。
妙に空が静かになったと思えば。
突然、艦(ふね)に
ダメージを食らったと思えば。
それらを含む今までの攻撃は全て、本撃でも威嚇でもなく、囮だったということか。
あの「デカブツ」に気付かせない為の、囮だったということか。