散弾銃プレアデス
山口は、眩しい朝日の影に
銀色の塊を見た。
今まで撃墜してきた敵機とは比べ物にならない大きさと威圧感。
生半可なモノじゃない、
危険だ、と本能が叫んでいた。
昇った朝日を背負うソレは、同じ空の上で対峙した相手に対しては、文字どおり最大のカムフラージュであろう手法を持って今も迫っている。
皮肉にも、仏の背にさす後光の如く、背にこの世で一番鮮やかな金の光を背負って、巨大兵器はこちらへ向かっている。
その眩しさゆえ、空の上、しかも真正面からでは居場所を捉えられないのだろう。
「(気付いてくれ、空機隊…!)」
山口がまさに通信室へ飛び込まんとしたその瞬間、そのドアがさっと開いた。
誰かがもう通信を終えたのか。
安堵したところで、ちょうど彼の意識は途絶えた。