散弾銃プレアデス


その「陽性」が航空隊──つまり、あの男の下に入ることは疑いようもなかった。


長官も他の奴らも、そして安原葵も、当たり前の対応で落ち着き払っていたことを覚えている。



俺だけが、何故か焦りを隠せずに舌打ちを繰り返していたことも、鮮明に。






航空隊の中でも、その能力を使える者は限られていた。


その限られた何人かはすぐ見分けがつく。
腰に装備した銃のホルスターの他に、ぶら下がっている小さな機械。
入力端子が2つ。長方形の液晶。

あとは、やけに古びていることくらいしかそれの目立った特徴はない。





数えるほどしか無いが、俺も「飛ぶ」瞬間を見たことがあった。





その機械を少しいじって、使用者は他に忍ばせていた黒いコードを端子に入力する。

一本───……二本。

二本目を接続したその瞬間、青い電光が身体を包んで………光も音も、熱も、そのまま増幅していって。



そして、機械に向かってなにかを小さく呟く。

入力信号か何かわからないが、ひとりにひとつ与えられた言葉が起動のスイッチになっているようだった。





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