散弾銃プレアデス




その後は、よくわからない。

目を開けばもう空高く浮かんで、あとは思いのまま。




だけど、俺は絶対に嫌だ。


大の大人が、

それも訓練され、銃で脚を射ぬかれても脂汗を流しながら耐えるような鍛えられた男が

熱に悶え、痛みに叫ぶような。


まるで獣。

目を見開き、唸り、咆哮する。




───「飛ぶ」ことの代償はあまりにも多く、危険を伴う。


そこまでして、生身の身体で飛びたくなんかない。







そして、研究者たちは言う。



機械の「波長」が人間のそれと合えば、使用者に痛みは無い。

そんな人間が存在する。
「飛べる」人間が存在する。


───と。




それが、皆瀬すばるだった。





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