散弾銃プレアデス



“朝日が欠けた”と津波のように浸食する騒ぎを切り裂いた悲鳴に駆け付ければ、眠るように倒れた男の身体。そしてそこにへたりこみ、泣き叫ぶ若い隊員。












一斉警戒が敷かれたその艦(ふね)には統べるべき男の姿は無く、隊員達はただ何処に居るのかもわからない敵の姿に心の底で怯えるほかなかった。


「一体、誰が」
呟く声に応えるものは無く、ただ打ち寄せる波と滑空する戦闘機の音を拾う。











《トリカゴ》のみにしか照準が合わないところを見ると、相手の狙いは国家武力の中枢――特殊公務機動隊であることは明白だった。






相手は上空からの攻撃をメインに航空機動隊を少しずつ、確実に追い詰め、

沿岸を守る陸上機動隊は、敵戦線を押し上げながら壁の様な敵から繰り出される無数の鉄雨をかいくぐり、銃撃戦を繰り広げている。



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