散弾銃プレアデス
拮抗。
しかし、どう考えても敵は国家レベルと同等の戦力で特務機動隊と張り合っていた。
朝日は昇ったが、まだ日は早い。
世辞にもならない言葉を並べても良いとは言えない戦局。
そんな戦場の真ん中、“とばり”の甲板に、おおよそその場には似つかわしくない声が喫茶店のドアのカウベルのように響き渡った。
「…おや?皆さんお揃いですね」
上下で身体にあった黒の衣服、腿のあたりに幾つかのガンホルスター。右肩から下がる弾薬。
左手には旧式の散弾銃。
栗色の髪が朝日にひとつ揺れて、すぐに溶けて見えなくなる。