散弾銃プレアデス



煤にまみれた服をパンパンと払いながら言う男―――紺野利樹は、右手で千切れた青い銅線の一端をぴらりと海面に浮かべてみせた。


「…紺野隊長……!」



隊員達の安堵の声に応え微笑み、続ける。


「時限性の水素型爆弾……これだけの人数の目を盗みながらのセッティングスピードはさすがだね、春樹レイ」










「……よく、僕が爆弾を仕掛けた場所が分かりましたね」
苦虫を噛み潰したような表情の青年・春樹レイが自嘲気味に呟いた。


「艦を戦闘における海上拠点として静止させた以上、喫水タンクはまず見ないから……確かにあそこなら見つからないよ、普通はね」
答える紺野がくすくすと笑い、さっと表情を鋭く変える。





「相手が俺だったのが唯一の欠点」





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