散弾銃プレアデス
「…一人分、余分に沈んでた」
その場の人間は皆、紺野がさらりと言ってのけた言葉の意味を租借する。
侵入者の重量を、その所在を、
この男はその身体で感じたのだ。
「計算外でしたよ、アナタのおかげでこの船を沈めるのには時間がかかりそうだ」
「俺もさ、春樹レイ君…こんな所で君に会えるとはね」
「さすがは―――美紺朗、」
古代中国の英雄に因んだその通り名を口にした春樹に、紺野は小さく舌をうった。
「ありがとう、でも」
左腕が上がる。
「もうお喋りも飽きた」
言葉と共に地を蹴る音がふたつ、
がしゃん!とショットガンを装填する音が続く。