散弾銃プレアデス
「(……第五武器庫っ)」
通常時なら人で溢れる施設《トリカゴ》は、完全な無人と化していた。武器や機器類・軍用機の保管庫、各種特務機動隊の訓練施設が連なる一階フロアを駆け抜けるすばる。
所々、爆撃で崩壊したような部分すら見受けられた。
最短距離でたどり着いた第五武器庫、正面扉のドアノブに手をかける…が、開くことはない。
「…うそ……」
よくよく見れば、扉は衝撃によってか酷く歪み、ちょっとやそっとでは開かないであろう状態になっていた。
「……〜っ!」
すばるは踵を返すと、すぐそばのジム施設に飛び込んだ。
「……あった、」
目にうつした筋力トレーニングマシンの整備用具は、直径5センチ程の鉄製の太いパイプ。
それを手に取って立ち上がる。
再び第五武器庫に戻り、その扉―――ドアノブの一点へとパイプの先を叩きつけた。
「いっ……!!」
じん、と身体を駆け抜けた衝撃に表情を歪め、思わずパイプを取り落とす。
それでもすぐさま立ち上がり、同じ部分へとそれを向けた。