散弾銃プレアデス
「第六機…敵機位置、確認っ…!!」
どういうことだ。
今この瞬間まで、自分はこの馬鹿でかい敵機を見逃していたのか?
鈍色、藤色……変化する空の色が区別できるくらいの頻度で、確かに自分を含む空機隊は敵の戦闘機を撃落してきた。
張り巡らされた伝達機器を使った地と空の連絡は巧妙で、これもやはり敵機撃墜に力を添えた。
四方八方上中下、360度、全ての方角を視野に入れて空を駆けてきたつもりだ、が。
それでも。
それでも、確かに「居なかったはずの敵機が現れた」のだ。
朝日に目が眩んだその瞬間……?いや、そんな芸当は不可能だ。
とすると、それより前に、この空には目の前の敵が居たことになる。
今日も空は青い。
澄んだ水のような、若い木々のような、瑞々しい色だった。