散弾銃プレアデス




ザザ、と砂嵐のような音が混じり、混乱し、混線状態にある伝達回路が一つの発信源に預けられる。
現在、全部で八機となった特務航空機動隊のラファール。



そのそれぞれに、大きく、雄々しく、声が響く。


「………こちら第六機・安原!
全機、2時の方角・敵機確認せよ!…威嚇弾からカウント15(fifteen)で左右に分かれて別働!!」




引きちぎるような切断音。


安原は狭い機関室で連絡用のヘルメットを即座に脱ぎ捨てると、操作盤面のレバーを手前に引き倒した。ガコン!と何かの落下音、そして小さく息を吐(つ)く。






太陽だ。
銀色の機体が、太陽を背にしていたとしたら――――あるいは、姿を隠せるということも有り得るだろう。
ましてや空の上、光線は地上よりも強く視線を焼くのだ。



奇術でも使わない限り、そうとしか考えられない。
……否、そうとでしか辻褄の合う説明が浮かばなかった。

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