散弾銃プレアデス
「ニセモノですよ、全て!全てが虚像なんだ!!」
栗色の髪を躍らせ、春樹レイは叫んだ。
戦を交える紺野利樹が撃ち据えた銃弾をかわし、航空母艦「とばり」の甲板を駆ける。
「あなた達は銃を取り、ニンゲンを殺めて笑う!」
心底面白いといった風に言い放ち、金色に光る細身の銃を真っ直ぐ紺野に向けた。
銃声が響く。
「…ッち!」
舌打ちを一つ、スプリングをきかせて紺野が左に飛び、体勢を立て直す。そのまま甲板でくるりと方向を変えると、今度は紺野の方から春樹に向かって銃を放った。
眼前に飛び込んでくる銃弾に身動き一つせず、狂ったように笑いながら春樹が何度も引き金を引く。
「あはっ…あんただって犯罪者なんだ!敵を殺して、味方まで戦場に送って、
紺野の銃弾が春樹の頬肉を削ぎ落とす。
途端、春樹の表情が一転し、地獄の底に響くような声で叫んだ。
……何が正義だ!!何が秩序だ!!!」