散弾銃プレアデス
春樹の剣幕にビリビリと空気が震えるような感覚を感じ、紺野をはじめとして遠巻きに見守っていた海機隊員たちでさえ、思わず後退った。
じん、と高熱の波が襲うような殺気に心臓を握り潰されそうになる。
「うおああああっ!」
突然、紺野が弾かれたように声を上げた。獣の咆哮に春樹が一瞬、目を見開く。
太陽に照らされ、美しく光る紅茶色の髪が揺れた。
「…呑まれるな!!」
紺野の声が張り詰める大気をパチンと叩けば、畏縮していた隊員たちの目に再び光が灯った。