散弾銃プレアデス
「総司令」という呼称は、おおよそある男に冠する。
国家防衛大臣、要事の際には多くの権限を有する総司令官。
原伸吾も、数回顔を合わせた事があった。
「あのブタ野郎…!」
人をコマとしか見ない態度、ニヤニヤと御堂を見つめる腐った目線…全部、全部気に食わない。
芹沢吉次。
先程の敵兵たちは確かに“総司令”と呼んだ。
もし、あの男だとしたら、
相手は国家だ。
そうなればこの戦闘における政府の理不尽な対応と、底なしの軍事力にも納得がいった。
「レイ……」
どうして、そんな奴と?
どうして、こんな事を?