散弾銃プレアデス
こくんと喉を鳴らす。
先の敵小隊をやり過ごしたことを確かめてから、原はゆっくりと茂みから姿勢を上げた。
「……………としき?」
呟いて振り返る。
嫌な感じだ。
とにかく一刻もはやく戻ろう、真の敵について伝えねばならない。
がしゃんとショットガンマガジンを装填し、走りだした背中が曇り空に溶けていった。
「みうさん……あれ、」
皆瀬すばるの指差す先には、ドス黒く歪んだ光を放つ塊がぷかんと浮いていた。
眉間にしわを寄せながら確かにそこに揺れる代物を睨み付け、遮光ゴーグルを装着する。
「前線はどうしてるんだ…?」
視界の中、注視するが依然詳細は掴めない。