散弾銃プレアデス
虚像、群像、残像
「5!」
ゆっくりと空に留まる8つの星は、各々の軌道を思い描いて漂っていた。
祈りも諦めも選ぶ余地がない。
安原葵は、目の前に広がる灰色の悪夢に切り込む選択ただ一つを噛み砕いて、ただ5つの時を刻んでゆく。
「4!」
共に並ぶ精鋭達も自分も、簡単に脇を抜かれるほど甘くはない。
いくら大きな機体であろうと弱点があるはずだ、必ず。
「3!」
不気味に静止する敵機を睨む。
真正面からの攻撃が駄目なら側面に背面だ。
「…2!」
それでも侵入するなら、
全力で叩き潰すまで。
「1!」
空は、俺達の庭だ。
《トリカゴ》は、俺達の家だ。
特機隊は、俺達の家族だ。
「…お帰り願おう!」