散弾銃プレアデス
隊員は一人、拮抗する空気の中に取り残されている。
それを放置して爆撃を開始するなど、部隊長として、人間として、安原には考えられなかった。
反対の声が響く中、それを無視して駆け出す。制止を振り払い、速度を上げる。
走る。走る。
進む程に戦闘の色は濃くなっていく。硝煙の刺激に、安原は目を擦った。
それでも、走る脚は止めない。
肩から回したマグナムを視界に入れた。位置的には、どこから敵が発砲してきてもおかしくはなかった。
灰色の中、頓挫する空色を探して、走り続ける。