散弾銃プレアデス
ピピピ、
無情に響く電子音に焦燥が募る。
「皆瀬ッ!!」
あと2メートル。
届く。
空色を、捕える。
「たいちょっ…!」
「ッあああああ!!」
そして
安原が空色の端を捕えた瞬間、爆風が辺りを包んだ。
すべてが、くずれる。
足場を失い、宙に投げ出され、動きを制限される。
「た、隊ちょ」
言い掛ける小さな隊員。
「喋るな!!」
一喝して、抱きしめた。
爆撃は依然やまない。
その中に飛び込み、部下と二人落ちる自分。
この事態は当たり前だ、と感じた。
自分こそ、この部下を守る立場にあるのだから……そして、守ることが出来るから隊長なのだ、と。
不思議と背筋が伸びた。
「皆瀬、とぶぞ」
堅い腕の中に収まる皆瀬すばるには、確かにそう聞こえた。