散弾銃プレアデス
それから5分も経たない内に爆音は小さくなっていった。
本当は目を開けて見渡したい程に不思議な感覚だった、と今でもすばるは思う。
一瞬、安原が心配になって目を開けた時に見えたのが、青い空だけだったから。
右も左も、全部が青かった。
それ以上考えなかったのは安原の存在のおかげだった。
安原が大丈夫だと言えば大丈夫だ。
安原が目をつぶれと言えば目をつぶる。
それだけの話だ。
何よりも、苦痛に顔を歪めながら自分を守ろうとしてくれたこと。
すばるが視界を閉ざす理由はそれで充分だった。
「隊長」
うつむいたままのすばるが安原を呼ぶ。
静まり返った部屋に、すばるの震える声が響いた。
「…あの、あ…あたしっ…」
安原が上着を脱いではじめて、腕や肩口、至るところに傷が増えていることに、今になってやっとすばるは気付いた。