散弾銃プレアデス
「過保護だろう?」
それだけ言って、安原は2つのカップを手にキッチンへと向かった。
開けたまま置いてあったビンから新しいティーバッグをひとつ取り出して小さい方のマグカップに、一度出したバッグを大きいカップに入れる。
こぽこぽ、と現れては消える空気の珠が紅茶の中を泳ぐ音。
「隊長」
すばるは、カップを手に再び現れる安原をはっきりと呼んだ。
「…どうした?」
「あの…」
すばるが言葉を探しているのがわかった。それを待つ安原は、しゃがんですばるの前にカップを置く。
「あっ…ありがとう、ございました!!」
今にも泣き出しそうな表情をしながら、すばるは右手で敬礼をした。
眉間にしわを寄せて唇を噛み、困った顔でそのまま動かないすばる。