散弾銃プレアデス



まずは軽く腕を伸ばす。

とんとん、と地面をつつくすばるの真似をしながら、小さな笑みが漏れた。


ちらり。さりげなく。
横目に視線を流す。


低く響く重機の音に耳を傾ける。その中に混じった微かな微動……


────安原が動く。



軸足は右。ギュッと地面を凝縮するかのように、足の裏が瓦礫まじりの砂をつかむ。スプリングを効かせて左側へと跳躍した。



ぱしん、

次の瞬間、乾いた音は、紛れもなく銃声。


「(……サイレンサー?)」


激しい銃声を無くすための、銃の装備・サイレンサー。隠密に対象を狙い撃つために使われるそれを、この戦場で使う不自然さに安原は不気味な不安を感じた。




ざざっという音と砂煙に視界が揺らぐ。だがそれは相手も同じ。






煙が晴れれば、勝負だ。







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