散弾銃プレアデス
迷いなく、するりと流れるような動作。節張った人差し指を引き金にかける。
唇の端から漏れる空気の塊。
右肩から腰へ、筋肉を収縮させる。
安原葵はゆっくりと引き金を引いた。
銃身の内部で金属同士がこすれる感覚、弾丸が落ちる音を聞く。
ずん、と腹のど真ん中に沈み込むような衝撃を受ける。
耳をつんざくような衝撃波と音波に身を震わせ、ふと皆瀬すばるは振り向いた。
戦闘の岩礁。立ち込める硝煙。灰色の空。
嫌な予感が胸を締め付けた。
「……行かなきゃ」