散弾銃プレアデス
機械的なノイズの連続がコンクリートの塊を穿つ。
腰を落とすことで華奢な身体を安定させるすばるの周りに、弾薬が無数に転がっていった。
聞こえるのは規則的な銃声と鉱物が砕け散る音。
「……ッ!」
弾けとんだ石の欠片がすばるの頬を掠める。血が滲み、滑り落ちた。
元は高層ビルであった瓦礫のカタマリの頂上に佇む白いスーツに、すばるはちらりと目をやり、眉をひそめる。
「(攻撃して来ない…?)」
すばるのアタマによぎる疑問。
とはいえ、落下するコンクリートをどうにかするしか選択肢は無い自分は、いま攻撃されたらひとたまりもなかった。
それに気付いていない、とは考えられない。
だが実際、相手は攻撃して来ない。
からん、と最後の弾薬が地面に転がる時には、すばるの上空にはただコンクリートの砂塵が巻き起こっているだけ。
辺りに、円を描いて散らばる瓦礫の真ん中ですばるは敵をはかっていた。