散弾銃プレアデス


ゆびきりをした。
安原と、約束をした。


「だから…生きてなきゃ、ダメなんです!」



理由なんてそれだけでいい。

すばるはもう一度、腹の底をひっくり返すように力を込める。


「っう…ううう!!」


自分を支えるのは、微かな記憶の中の約束だけ。

それだけ。

でも、それだけがある。



「…な、」

青年の表情に驚愕の色が宿り、すばるの目は光を灯す。

「う…あああっ…!!」

ゆっくり。
青年の手首が震える。

「どこに、そんな力が…!」

ゆっくり。ゆっくり。
すばるの脚が地を掴む。

「キミは…一体っ……」




「…答えて、下…さ、い」




ぴたりと動きが止まった。2つの力が均衡を保って静かにぶつかりあっていた。青年には先までの余裕はもう無い。

「あなた達は…どうして、みんなを巻き込むんですかっ…!?」

言い切ったすばるには、青年の口元が歪んだように見えた。


「……答えて下さい!!」


とはいえ、引き下がるわけにはいかなかった。猛るすばるを青年は見つめ、歌うように呟く。




「……この世界が…虚像だから」



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