散弾銃プレアデス
「キミは立ちはだかる相手をブチ殺して、その虚像を守ったつもりでいるだけなんだよ」
じわり、白い絵の具で塗り潰されていくすばるの心。
「そのショットガン、ずいぶん使い込まれてるね」
ぴ、と青年が指差した方向に鉛が鈍く光る。
「安全装置に光沢が出て……装置を外して、撃ち抜いた証さ」
「っ……」
いま、一番聞きたくなかった事。
自分の手の中の鉄塊が、如何に人を殺せるか。
すばるにだって、考えなかったことが無いわけではない。
「何度も」
ゆっくり首を横に振る。
「何度も」
「………や…だ」
「平和を守る為」に幾度も引き金を引いた人差し指がとてつもなく邪悪なものに見えて、すばるは目を背けた。
「何度も、何度も何度も!」
「やだあああッ!!!」