散弾銃プレアデス
“可哀想だ”とあの人の口から漏れたコトバを、すばるは薄ぼんやりと耳にしていた。
「盾になって、弾丸になって、翼にまでなるんだ……」
あたしが今ここに立ってるのは、なんで?
未確認の可哀想なあたしは、正義を忘れて倒れてる────
単語がぐるぐると駆け巡りながら、すばるを締め付けた。
「けど…正義の下に人を殺めたキミには、やっぱり当然の報いなのかもね」
すっと伸びた青年の右手がすばるのショットガンを手にした。つるつるとした光沢を撫で回しながら、銃口をすばるに向ける。
帰って来なかった仲間やあの日撃ち抜いた誰かみたいに、あたしは死ぬ。
一瞬耳をつんざくような音に、思わずすばるは目をつむった。
頭の中が真っ白に塗り潰される。鼻をつく火薬の臭いだけが、濃くなっていく。
「僕はキミを殺ってあげないよ、この殺人兵器」