散弾銃プレアデス
アイデンティティーの確立、己の存在への疑問。誰だって経験する道だ。
誰に頼り、何処へ向かうか。
安原や御堂はそれをすばるに求めることに未だ不安を感じているらしいが、そんなことは自分にとって知ったことではない。
目の前の少女を一人の人間として扱ってやりたい………原信吾は常々思っていた。
父の素質。
母の素質。
隊長の素質。
軍人の素質。
それは全ての人間に与えられるモノではないことを、原は知っていた。
自分では目に見えないせいで、持気付かないままの人もいる。
他人との関わりで生まれる「自分」は、少なくとも独りよがりでは一生気付かずに終わる。
人のために何が出来るか?
自分が何をしたいのか?
すばるにだって、悩む権利があるはずだ。