散弾銃プレアデス
「…利樹に隠し事はできんな」
「アンタが嘘つくの下手くそなんだよ、葵ちゃん」
機械整備の終了を意味する長い電子音が鳴り響き、安原は立ち上がる。
「いつかは気付くだろうな」
小さな機械を手に取り、もう一度大型機械へ繋ぐことで機械自身が同期を始めた。
「…すばるちゃん自身?」
「あぁ」
もう一度手のひらを大型の機械の画面に載せる。音と共に色が現れ、また電子音。
「あれは聡明な子だ」
再び、部屋が沈黙に包まれる。
安原は揺れる窓ガラスに歩み寄ると、誰に言うでもなく呟いた。
「────あとは俺さえ、か」
風が強い、
ある春の日の昼下がり。