僕は彼女の事を二度愛していた
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「ねんねこ、ねんねこ、ねんねこなぁ・・・。」
歌が聞こえた。それは子守歌のように聞こえた。しかし、僕はその子守歌を知らない。
「ねんねこ、ねんねこ、ねんねこなぁ・・・。」
呪文のように同じフレーズを繰り返す。もしかしたら、その先があるのかも知れないけど、僕は思い出す事が出来なかった。
「ねんねこ、ねんねこ、ねんねこなぁ・・・。」
いつまでも、いつまでも繰り返す。それに嫌気がさし、大声で叫んだ。
「いい加減にしてくれ。」


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