僕は彼女の事を二度愛していた
40
会社に着いても、大河内の事が気になってしかたない。パソコンのディスプレイに向かって、大きな、とても大きなため息をついた。
「どうしたの?恵。」
声をかけたのは、隣の席に座っている同僚の絵里香だった。
「えっ、なんで?」
「なんでじゃないよ。そんな大きなため息ついて。いかにも、私、悩んでますって感じだったじゃない。」
「えっ、そんなため息ついてた?」
よほど思い詰めていたのだろうか、恵は自分のため息にまったく気がついていなかった。
「ホントに気がついてないの?はぁ・・・って、まるでこの世の終わりって感じだったよ。で、どうかしたの?」
「加藤さんっているでしょ?」
恵は、絵里香に相談する事にした。
「あぁ、営業二課にいた加藤さん?」
加藤は社内で、ちょっとした有名人になっていた。他にも、加藤と言う社員はいる。しかし、こうやって話題になる加藤は一人しかいない。
「そう、その加藤さん。あの人、会社に来なくなる前、かなり変になってたじゃない。」
「うん、なんか誰も写ってない写メ見せて、俺の彼女とか訳のわからない事、言ってたりってやつでしょ?」
「そう、それ。」
「それがどうかしたの?」
(まさか、加藤の事が好きだったなんてオチじゃないよね?)
絵里香はそんな事を考えながら、恵の言葉を待った。
「私ね、私・・・誰にも言ってないんだけど・・・。絵里香だけには言うね。」
(えっ、本当に・・・。加藤の事が好きだったの?あ、あり得ない・・・。あんな男のどこが良かったって言う訳?)
気持ちが顔に出た。
「どうしたの?絵里香、変な顔をして。」
「なんでもない、なんでもないよお。」
恵に心の中を覗かれたかと思った。焦って、パソコンの上にコーヒーをこぼしそうになった。
体を前に、恵は乗り出した。
「あっ・・・。」
「どうしたの?恵。」
声をかけたのは、隣の席に座っている同僚の絵里香だった。
「えっ、なんで?」
「なんでじゃないよ。そんな大きなため息ついて。いかにも、私、悩んでますって感じだったじゃない。」
「えっ、そんなため息ついてた?」
よほど思い詰めていたのだろうか、恵は自分のため息にまったく気がついていなかった。
「ホントに気がついてないの?はぁ・・・って、まるでこの世の終わりって感じだったよ。で、どうかしたの?」
「加藤さんっているでしょ?」
恵は、絵里香に相談する事にした。
「あぁ、営業二課にいた加藤さん?」
加藤は社内で、ちょっとした有名人になっていた。他にも、加藤と言う社員はいる。しかし、こうやって話題になる加藤は一人しかいない。
「そう、その加藤さん。あの人、会社に来なくなる前、かなり変になってたじゃない。」
「うん、なんか誰も写ってない写メ見せて、俺の彼女とか訳のわからない事、言ってたりってやつでしょ?」
「そう、それ。」
「それがどうかしたの?」
(まさか、加藤の事が好きだったなんてオチじゃないよね?)
絵里香はそんな事を考えながら、恵の言葉を待った。
「私ね、私・・・誰にも言ってないんだけど・・・。絵里香だけには言うね。」
(えっ、本当に・・・。加藤の事が好きだったの?あ、あり得ない・・・。あんな男のどこが良かったって言う訳?)
気持ちが顔に出た。
「どうしたの?絵里香、変な顔をして。」
「なんでもない、なんでもないよお。」
恵に心の中を覗かれたかと思った。焦って、パソコンの上にコーヒーをこぼしそうになった。
体を前に、恵は乗り出した。
「あっ・・・。」