僕は彼女の事を二度愛していた
僕は誰にも邪魔されないようにと、みんなが来ない屋上に来ていた。今日も蒸し暑い。けれど、夕方になると、時折涼しい風も感じられる。それが心地良かった。
まだ、彼女は電話に出ない。落ち着かない僕は、屋上をグルグルと意味もなく歩き回った。
でも、それは意味のない行為となった。
「留守番電話センターに接続します・・・。」
感情のない声が、携帯から聞こえてきた。
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