僕は彼女の事を二度愛していた
「それで・・・いい加減に教えてよ。」
「うん、ごめん。あのさ、石原さんっているでしょ?」
「あの人、格好いいよねぇ。その石原さんがどうかしたの?」
大河内がいいと言っていたにも関わらず、これだ。やはり女は誰でもイケメンに弱いんだ、絵里香は思った。
「その石原さんと大河内さん、同じ大学だって知ってた?」
「えっ、そうなの?」
「そうなんだって。」
恵は少し落ちた。それから、確認した。
「それがいい情報って事はないよね?」
「まさか、ここから先あるに決まってるでしょ。」
絵里香は得意げだ。
「じゃ、当然、同じサークルに入ってたって事も知らないよね?」
「えっ、そうなんだ。何のサークルに入ってたの?」
「なんと、演劇。あの二人、学生時代、ずっとやってたみたいだよ。」
石原はなんとなくわかる。しかし、大河内がやっていた事は、恵にとってかなり意外だった。
「えぇ、大河内先輩が演劇やってたの?ねぇ、どんな役?人気とかあったのかな?」
「さすがに、そこまではわからないよぉ。しかし、ホント、好きな男の事は何でも知りたいんだね。」
恵は真っ赤になった。
「かわいいねぇ。こんなに純情なかわいい娘に想われているんだから、大河内さんも幸せ者だよ。」
絵里香はからかった。
「ちょっと止めてよ。それ以外にはどんな情報があるの?」
貪欲に聞いてきた。
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