僕は彼女の事を二度愛していた
「そうですか・・・。あなたなら、何かわかると思ったんですけどね。残念です。」
「すみません。お力になれなくて。」
「いいんです。気にしないで下さい。」
そう言いながらも、僕は落胆した表情を、隠す事が出来なかった。
「本当に、ごめんなさい。」
僕の表情を、気にしての言葉だ。こんな言葉を聞くと、僕の方が恐縮してしまう。
「あ、ホントに大丈夫です。そんなに気にされると・・・僕が困っちゃいますよ。」
「ふふふ・・・。大河内さんは、やさしいんですね。」
そう言いながら、笑顔をくれる彼女の方がずっとやさしい。僕は感じた。
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