僕は彼女の事を二度愛していた
特に抵抗される事もなく、僕達は部屋に入った。独特の雰囲気。今まで経験した事のない雰囲気に、僕は圧倒された。
しかし、彼女は落ち着いている。ただ、それは一瞬だった。
「な、なんで、こんな所に来るのよ。」
「好きな所でいいって言ったのは、望だろ。」
「そりゃ、言ったけど・・・。だからって、こう言う所に来る事ないでしょ。」
「じゃ、どこに行けって言うんだよ。好きな所とか言われたら、そりゃ、こう言う事になるだろ。だいたい、つきあって三年になるのに、何もない方がおかしいだろ?」
「おかしくないよ。そう言うつきあい方だって、あるはずだよ。みんなと同じじゃなくても・・・それでもいいじゃない。」
「それが嫌なんだよ。望はそれでいいかも知れない。でも、俺は嫌なんだよ。」
「・・・わかった。」
望は、急におとなしくなった。
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