僕は彼女の事を二度愛していた
「それでさ、部長に言ってやったわけよ。」
どうでもいい事を、大声で話しかけてくる。
「それで?」
「そしたら部長のやつ、逆ギレしてさぁ。」
さっきから、僕は気のない返事しかしていない。しかし、そんな僕の態度に加藤は気づく事もない。これが鈍感力と言うものなのだろうか。
「ふぅん。」
乗り換え駅までの時間が、とても長く感じた。
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