STOP LOVING
そして、得に美人というわけでもなく。
軽く癖のある髪の毛を気にしている、そんな15歳。
趣味はこれでも一応おしゃれです。
「あーもー! まとまんないしっ」
ポニーテールにしようとしたけど、全然まとまらなくて、時間もなく。
結局いつもの二つ結びになった。
「いってきます」
ママに大声で叫ぶと、臙脂のチャリに飛び乗り全速力で道を駆け抜ける。
視界に入るのは、ピンク色の桜。春真っ盛りの4月の象徴に思えた。
暖かい気持ちに浸っていて、急ぐことを忘れていたあたしは、はっとしてまたペダルをこぐ足に力をいれた。