STOP LOVING
「はぁー…なんだかなあ……」
深くため息をつく。音を立てながらケータイを閉じると、隣の席の人がぴくっと動いた。
「おはよ」
寝ていた体をむくっと起こし、軽いあいさつをしてくる。
姿勢のいい背筋と、スキンヘッドが印象的だった。
いかにも野球少年です、と言うような雰囲気が漂うソイツ。
「えっ」
いきなりのことにあたしは焦ってドキドキした。
「ため息ついてると、幸せ逃げんぞ」
「は? えーと……」
え? ええ!? さっきのため息のことですか!?
戸惑っていると、野球少年はまた頭を下げ、寝る体勢に入った。
この人……いったい何なの……