STOP LOVING

「はぁー…なんだかなあ……」

深くため息をつく。音を立てながらケータイを閉じると、隣の席の人がぴくっと動いた。

「おはよ」

寝ていた体をむくっと起こし、軽いあいさつをしてくる。
姿勢のいい背筋と、スキンヘッドが印象的だった。
いかにも野球少年です、と言うような雰囲気が漂うソイツ。

「えっ」

いきなりのことにあたしは焦ってドキドキした。

「ため息ついてると、幸せ逃げんぞ」

「は? えーと……」

え? ええ!? さっきのため息のことですか!?

戸惑っていると、野球少年はまた頭を下げ、寝る体勢に入った。


この人……いったい何なの……

< 5 / 6 >

この作品をシェア

pagetop