7つのキス
らきさんはカッコイイです。キリッと上がった細い眉毛も。大きな目も。笑う時の笑顔も。
だから、ドキドキしてしまうんです。
「ここは俺の親父が持ってる土地だから。」
「え?」
「俺の親父が昔買った土地。この海岸も」
そう話すらきさんの顔は一瞬遠くを見つめていました。
「だから安全だって事っ!」
そう言って私に笑顔を見せるらきさんに掻き消された一瞬の戸惑い。
良かった、気のせいだったみたい。
「じゃ、学校あるからもうそろそろ帰るな、また明日な。」
らきさんはすっと背を向けて帰ってしまいました。