逃げ道なし!
"あ〜どうしよう!!"


トイレの中で、田中の膝下まで、水はたまり始めていた。


もう水の圧力で、ドアはビクともしなくなっていた。


"あ〜どうなってるんだよ!"



田中は水を蹴り飛ばした。



むなしく・・・・・・・・水しぶきは壁に飛び散る。



そして"みるみるうちに"水かさ"は増えていった。


泳げない田中は、便器の仕切りのドアを掴んで首を出さなければ、息が出来なくなっていただろう。



しかし・・・・・さらに急速に水かさは増え始め、田中は苦しさのあまり気を失った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どれくらい時間が経ったのかはわからない。



目を覚ました田中は、自分が先の見えない位大きい・・・・・・プールのような場所にいるのに"気づいた"



そして田中の身長と同じくらいの陸が、"ポッカリ"とあり田中はそこにいた。



田中は自分の服装がスクール水着になっていて、頭を触ると帽子を被っている。


また水はそれほど深くはないが・・・・・・田中の身長では、足はあきらかにつかない深さで、水の底に見えるラインは・・・・どこまでも、どこまでも伸びている。


やはり"プール"だった。

"バシャアーン"


遙か先で、空から何かが落ちた。
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