逃げ道なし!
"ハァハァハァ・・・・・、作戦成功ってとこか・・・・"

神谷は思い描いた通りとまではいかないが・・・・木に着地できた。



サーカス級の"大仕事"を終えて、神谷は少し安堵した・・・・・・・・そして、その視界には・・・・・久々に光が入ってきた。

"あぁ・・・ひかりだ"


神谷は眩しさで、目を手で覆った。



"ボボキッ"


神谷が手を離した瞬間、神谷の体重を支えていた木は折れた。




"ボキボキ・・・・ドサッ、ボキボキ・・・・"




神谷は沢山の木の枝にぶつかりながら降下した。

"ボボキィィィィ"


"枝を・・・・枝を掴むんだ"

神谷の身体は自然に反応して手で枝を掴む事ができた。

・・・・降下しながらも、沢山の枝にぶつかりながらだったため・・・・速度がでてなかったのだ。


神谷はなんとか体を、近くにある・・・・体重を支えられるだろう、太い枝に移した。


"フゥ"


木の上で、神谷は何度も迫ってきた"死"を、かいくぐった身体を見つめていた。


きっと・・・・・今の落下で、幾つもの骨が折れているのだろう。


もう神谷には・・・・手や足に力を入れる"余力"も・・・・・・なかった。



"・・・・きれいだな"


神谷は木の上から・・・・・・・"光る校門"を眺めていた・・・・・・。
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