勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


目が覚めた私はお兄ちゃんにもたれかかって肩を抱かれていた。


体を起こすとスルリと私の体から羽織りが滑り落ちた。


お兄ちゃんがかけてくれたんだね。


眠っている間ずっとそばにいてくれたことが嬉しくて心がホワリとあたたかくなった。


「おはよう。」


「あぁ、おはよう。」


挨拶を交わすこともこそばゆい。


照れくさくて私はお兄ちゃんから顔を逸らした。

「どうしたのだ?」


不思議そうに私の顔をのぞき込んでくるお兄ちゃん。


女の人みたいに綺麗な整った顔を間近に見て、私の顔は熱を出したときのように熱くなった。


「お腹が空いたの…。」

恥ずかしさを紛らわせるため口にした言葉を私は後悔した。


よりによってお腹が空いたなんて恥ずかしさを増長させるような言葉を口にするなんて…


恥ずかしすぎる!





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