勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
やっぱり不思議そうに私を見る紫衣。
私にもどうすればいいのかなんてわからない。
だけどずっと待っていた時が今だということだけはわかるんだ。
「お姉ちゃん、お兄ちゃんを助けてあげて…」
紫衣にしか出来ないんだよ。
訴えるように言葉を放つ私に紫衣は頷いてくれたんだ。
その後のことは私にも解らない。
自分の意思とは別の何かに導かれるようにして紫衣と二人道を進んだ。
そして私と紫衣は黒い塊に吸い込まれお互いの世界が入れ替わったんだ。
私は紫衣が生きる2009年へ...
紫衣は私の生きる1583年へ...
そしてお互いの運命の人に出逢う為に生きるんだ。