勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「もうお昼だよ!!」
携帯からは元気な芽衣ちゃんの声。
「寝ていたわけじゃないよ。」
言い訳めいた私の言葉に芽衣ちゃんはクスクスと笑っていた。
「私今ね、嶋田さんと一緒にいるの。」
楽しそうな芽衣ちゃんの話し声。
買い物に行くと出かけて行った芽衣ちゃん、嶋田さんと偶然逢ったと言う。
「そう...。」
「なんか紫衣ノリ悪いね。」
嶋田さんと石野さん。
旅行の時に逢ったきり連絡も取ってない。
別れ際携帯の番号とメルアドの交換はしたけれど連絡は取っていなかった。
「今から食事に行こうって誘ってもらったんだけど紫衣も出ておいでよ。」
お誘いはありがたい。
でもそんな気分じゃない私は断ろうとしてして口を開いた。
「でも...。」
そんな私に芽衣ちゃんは言葉を最後まで聞かずに信じられない言葉を残して携帯は切れてしまった。
「石野さんが迎えに向ってくれたから準備していてね。」