勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


乱暴ではない、だけどスピードは結構でている車。


乱暴に感じないのは石野さんの運転技術なのかな?


お父さんの車に乗せてもらっているときはスピードを出すと乱暴な感じがしていたのに…


やっぱり私はどうでも良いことを考えてしまう。

それは石野さんと一緒だと特にひどい。


車は街を離れて山道を走っている。


「あの…。」


どこに行くのか尋ねようと口を開くと同時に石野さんの声が響いた。


「この山の頂上に多分2人はいると思う。」


クネクネと曲がる山道をスイスイと運転する石野さん。


運転に慣れているのかな?


「よく来るんですか?」

「1人でも暇があればよくドライブしてるからな。この山の頂上は夜景が綺麗でよく行くんだ。」

石野さんにしては饒舌で本当にこの山のドライブが好きなんだと私にもわかった。


「夜景ですか…。」


今は夕方とはいえ山の頂上についても夜景が見れる時間ではない。


不思議に思って思わず口から漏れた言葉に石野さんは苦笑いを浮かべて黙り込んでしまった。





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