勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
幸せ気分のまま石野さんを思いながら眠りついた私。
でも夜中に私は夢を見て飛び起きた。
紫衣の苦しむ姿。
目の裏に焼きつくように残る紫衣の苦しそうな顔。
夢の中の紫衣は突然に苦しみだしたんだ。
布団にくるまってとても安らかに眠っていた紫衣。
その紫衣を光が包み込んだんだ。
光の中に飲み込まれた紫衣は苦しそうに顔を歪めていた。
額には大粒の汗。
いったい紫衣に何が起こったの?
眠れない....。
胸が痛んだ。
知らない時代、知らない人、慣れない暮らし。
私よりずっと厳しい環境におかれた紫衣。
もしかして彼女は環境の変化についていけずに体を壊したの?
私のせいだ....。
私が紫衣を苦しめているの?
ねぇ、紫衣はお兄ちゃんに逢えたの?
今誰と一緒にいるの?
どんな暮らしをしているの?
ごめんなさい....。
もしもあなたが幸せでないのなら私のせいだよね。
あなたに何も話さずに私が勝手に導いたんだ。
お兄ちゃんのため
それだけの理由で私はあなたの世界を変えてしまった。