勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


「紫衣、いつまで寝てるんだい?」



襖を開けて入ってきたのは朱里さん。


布団に潜る私の掛け布団を剥がして朱里さんは固まったように動かなくなった。





「紫衣かい?」




目を見開いて尋ねる朱里さんに私はコクコクと頷くことで応えた。





「いったいどうなってしまったんだい?私は狐に化かされてるんじゃないのかい?」



オロオロとしながら言葉を零す朱里さんの着物の裾を引っ張って私は鏡を用意してくれるようにお願いした。



見てみたい。


自分の姿を。



起き上がれない体では自分の手を見ることしか出来ない。


顔は?


体は?


どんな風に変わったの?






元の姿に戻りたい。


ずっと考えていた通り私は私に戻ったのかな?




早く私のこの目で確かめてみたい。










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